デーリィたぬき通信

たぬきがウシと奮闘するブログ

四季のキャッツ好きが映画「キャッツ」を観たら

大変遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
「(何かを始めるときに)1番良いのはあの時だった。次に良いのは今である」
というコンセプトで今年もやっていきますのでよろしくお願いします。

さて、2020年初めての記事は映画「キャッツ」について🐈
私は自他ともに認める(?)劇団四季のキャッツオタクである。
ばりばりの古参とまではいかないけどたぶん15回くらい観ているし、
毎週月曜はキャスト表を見ながらあーだこーだ妄想している程度のオタクだ。
そんな中でキャッツが映画化されると聞き、楽しみにしていた。
しかし蓋を開けてみれば特に映画通でない私にまで届く酷評の数々!
これはやはり観ておかねば、ということでさっそく今日映画館で観てきた。

以下、四季のキャッツオタが観た劇場版「キャッツ」の感想。
一言で言うと、ジョンタガー恋しい。
あとキャッツを初めて観る人より四季のキャッツを知っている人の方が楽しめるかも。逆に。
(ネタバレ?あり)

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最初はあのオーヴァーチュアでスタート。
基本的に最後まで曲順や曲は舞台に忠実に進んでいく。
アレンジも原曲に沿っていて、サントラ買ったらかなり楽しめる気がした。
脳内では舞台が回っているが当然スクリーンは回らない。
月夜から街中にどんどん降りていくカメラ。
車のヘッドライトから画面が始まるのはさすが、舞台好きは嬉しい。
この車から捨てられたい1匹のよそもの猫、ヴィクトリアが本作の主人公。
キャッツにおいて主人公って概念がある時点で謎。

そこからジェリクルソング、ネーミングはだいたい良かった。
がしかし街が猫目線で造られすぎてる!
THE RISING SUNがあったのにはニヤニヤしたけど、
CATSINOやMeow Club、MILK BARなど猫よりのネーミングで、そこは人間界に寄せてほしかったな〜
人間の気配まっったくないんだもの!
猫たちが集って歌うところも人通りの多そうな広場だし、
都会のゴミ捨て場という設定は完全にないものになったのね、、という感じ。
靴ぐらい落とせや。

そしてなぜかジェリクル舞踏会が「歌で競って勝った猫が天上に昇れる」というオーディションになっていた。。
そこにマキャヴィティが「勝つのはオレだ!!」ってイカサマしながら乱入するというトンデモストーリー。
イカサマとはジェニエニ、スキンブル、バストファ、ガスあたりをグロールタイガーの操縦する船にテレポートするというもの。
この辺はずっと違和感。まじ謎。天上に昇ることが勝ちではないでしょ!
てかマキャヴィティは天上に昇りたいの????え??

だからジェニエニドッツも「歌バトルへの参戦者」として登場。なぜ?
しかもなんかただのおデブのおばさんって立ち位置で下品。この映画では時として猫が下品に描かれすぎる。
この作品は全体的にCG感、合成感が満載なのだがネズミとゴキが本当にひどい。
ネズミ、センスの悪い実写版千と千尋の「坊」って感じ。最悪。
そしてゴキタップがない。なぜそこを削った?
そしてネズミが猫のごはんとして表現されている。なぜに???
ジェニエニおばさんの衣装も場末のスナック感+合成感がすごくて残念な感じ。
出番のあとも外にお出かけしてガヤ担当してておせっかいおばさん役になっている。
ゴキは本当にひどい、、「魔法にかけられて」のリアルな虫たちの方がよっぽどいい。
ジェニエニおばさんの出番が終わってタガー!!!!!タガー…????

ここで昔のエルヴィス風タガーナンバー(今の四季のナンバー)を採用してくれたことには感謝。
これでタガーがB系で半ズボン履いてラップし始めたらマジで終わりなので。
しかし雰囲気はまったくエルヴィスではなく、ただのちょいマッチョな猫風おじさん。
超絶プレイボーイな雰囲気も見せず、ヴィクトリア優先。違う!!!!!!
ここでジョンタガーが超絶恋しくなる。あのエロさ、えもいわれぬルックスの良さ、スター性、求む。
なんか「ここをクラブにしちゃおーぜぃ♬」的なノリで歌い踊る。うーん、、

グリザベラ登場。めちゃ泣いてる…
個人的にグリザベラは自分に誇りを持っているので涙は見せないでほしかった。
が、基本このあともずっと泣いてる。
そして明かされない娼婦という過去!なぜ??
猫の世界にも娼婦とかあるんだ…!って複雑な気持ちになるとこじゃないの???

バストファさん登場。汚い。ほんと今作人間味をつけすぎ。
猫が金玉打って悶絶するとことか求めてないので映さないでほしい。
バストファさんはお金も名誉も持っていてその上での食い道楽で、贅の限りを尽くしているはずなのに、
ただのゴミ漁りの卑しい猫みたいな描かれ方していて不服。
バラ!ポケットにバラ挿して!ぴっかぴかに肥えていてほしかった。ただの汚い自己管理のできないデブになってた。
もっと余裕たっぷりの、お金でなんでも完結みたいな雰囲気出してほしかった。
目先の食べ物に釣られてマキャに消されてしまうとは不憫すぎる。

そこでマンペルナンバー、ここでマイナーバージョンを提案したスタッフに拍手。
まずマンペルが三毛猫。萌える。かわいい。
ヴィクトリアも混ざって一緒に泥棒猫してるのが疑問。ここはマンペルのやや盛りありつつの語りの部分でしょ!と思う。
いや〜〜〜〜〜〜〜でもマイナーバージョン映画館の音響で聴けると泣ける。
脳内で麻袋持ったマンペルの笑い声聴こえる。笑
久しぶりにマイナーバージョンのナンバー聞いて、画面そっちのけで四季の舞台を思い出す。
私の中のベストマンペルは札幌の今さんランペ&よしときさんマンゴですね、、
それは良いとして、久々のマイナーマンペルを堪能。本当にこれは嬉しかった。
腕時計や指輪を身につけるヴィクトリアもかわいい。
マンペルはさっくり逃げ出したけどヴィクトリアは逃げ出せず、ミストが助けに来るのは疑問でしたが!
てかミストがヴィクトリアにメロメロすぎる。色恋沙汰は猫の間にはいらない。
ドギーを骨つき肉で追い払うあたり、なんかトイストーリーっぽい(偏見)。
(といいつつ四季ではランジェミやカーディミ、オーブンの上など堪能する私)

してデュト様登場、え、おばあさん??
このあたりで、キー猫(ジェニエニさん、バストファさん)がマキャの手により船に飛ばされる(???)ことが明らかに。
しかも船に乗ってるのがグロールタイガー。あなた想像上の人物じゃないんですか??

デュト様元気すぎる。ランパスはいない。
ジェリクル舞踏会は四季の方が1000000000000000億%よい。
私あの雌猫が並んで両手両足大の字に開く→尻尾クルクルの振り付けがすごく好きで。
キャッツに出ている雌猫は全員自分の意思を持って誇り高く生きていることがよくわかって感動するんだよね。
でも劇場版は全然そんな感じしない。みんな人間。笑
舞踏会してるのが「エジプシャン」ってよくわからないし、どこ????
んで当然ながら休憩はないので「幸せの姿」ちょっと歌ってスキンブル。スキンブル??

その前ガスだったっけ?ガス自分で歌ってた。
自分で歌えるのであんまり老いぼれ感ない上に、ミストが「大ファンです、頑張ってください!」っていう茶番つき。
で自分で「本名はアスパラガスで〜す。1番ウケたのはファイアーフローフィドルかな」みたいな歌歌っちゃう。
んでガスの出番終わってスキンブル。
スキンブルは相変わらず三枚目扱いでね〜〜舞踏会あたりで赤いサスペンダーズボン履いてるおじさんいたから怪しいと思ったのよ。
そしたら案の定サスペンダーくんがスキンブルよね。おじさんだったけど。
でもスキンブルナンバーにタップ乗せたのはすごくすごく良かったと思う!!!
あの高揚感のあるメロディにタップの軽やかな音はばっちり。
でも電車作ってほしかった、、電車知らない猫たちの中で夜行列車の魅力を語るスキンブルであってほしかった、、

でマキャナンでひとり現れるテイラー・スウィフト、超かわいい。
ボンバルがマキャ寄りな立ち位置なのは分からなくもないし、そんな悪くなかったと思う。
でもディミータどこ??して一瞬出てくるグリドルボーン、誰???笑
でもマキャがデュト様をさらってミストが手品でそれを奪還して、、っていうストーリーはまあセオリー通り。
でもマキャファイはないです。ない。
ミストが全然自分に自信なくて失敗続きなのは日本とブロードウェイの中間みたいな設定だったかも。
そしてミストはカードと造花のバラしか出せないんか???雷落とせ雷!!!!!
ご自慢のフェッテもないし、ミストイケメンでヴィクトリアを支える役なんだけど、ここでは踊りまくってほしかった。
結局デュト様は還ってきて、マキャはヘヴィサイドレイヤーに執着しすぎて失墜する。
最終的にジェリクル舞踏会に顔を出したグリザベラが天上に昇る。

最後のご挨拶は意味不明に広場のライオン像の上で行う。もっと静かなところでやって。
全体を通して言えるのは、猫と人間の混ぜ方が壊滅的。
劇団四季やブロードウェイのキャッツは人間と猫の境目がギリギリうまい。
人間と思えば人間だし、猫と思えば猫。
でも映画キャッツの猫たちはなんか、、CG感がすごくて、趣味の悪いVtuberみたい。
マンカストラップの首輪とかまじでひどい。。
サイズ感もおかしいし、舌出してミルクやシャンパンを味わう様子はわりと勘弁してくれって感じ。
あとしっぽ!!!!!!!!!重力に逆らって一斉に動きすぎ。
四季のキャッツの尻尾は重力に逆らわないからいいのですよ、
ボンバルリーナとディミータの尻尾が背中合わせでくるんと絡まるのがいいのですよ、
タガーやグリドルボーンがもてあそぶくらいがちょうどいいんですよ、
キャスト全員のしっぽがピクピク動いたら気持ち悪いのなんの!そこは重力に任せましょうよ、、

あとはミステリアス感、誇りが皆無。
私の思う「ジェリクル」な猫は、みんな自分の人生に誇りを持ってるんだよね。
ありのままの自分の生き方が認められれば天上へ昇れるはずで、特別なアピールはしない。
だから今回の「参戦者がヘヴィサイドレイヤー昇れる権を賭けて勝負!」みたいなのには違和感。
映画の猫たち、全然誇りない。
グロールタイガーが別個で出てるのも意味不明だし、
ジェニエニさんの金蹴りで撃沈してガスの「ファイアーフローフィドル風脅し」みたいので海に落ちるんですよ?最悪。
ミストも全然自分のマジックに自信ないし、みんな誇りない。
四季のキャッツ観たいな〜〜〜って何度も思った。

でも新規の書き下ろし曲は悪くない。
「美しいゴーストと踊る」という表現はグリザベラにぴったり。
でもみんな泣きすぎよ。マンカストップも涙流すんだもの。
グリザベラもめそめそしてないで過去の自分に自信持って、現実とのギャップに涙してほしい。
とにかくジェリクル舞踏会をオーディションみたく扱うのはやめてほしい。
「キャッツはそんな話じゃない!!!!!!!!」ってなる笑

キャッツは詩集をミュージカルに仕立てたもので、ストーリーの正解はない。と思う。
劇団四季のキャッツを観ても、観た人によって心動く場面もストーリーの捉え方も違う。
マキャヴィティだって悪役かどうかもわからないし、死んでるか生きてるかもわからないのに、
劇場版「キャッツ」では陳腐な悪役にされてダッサい終わり方をしていて、気の毒。
それぞれの猫の誇り高い生き方、グリザベラの生き様、などなどそれぞれ興味を惹く中で、
観た人全員が何かしら思うところのあるミュージカルが「キャッツ」だと思うんだけど、
映画だとなんか、、「キャッツってつまんない話じゃね?」ってとこに集約しそうな気がした。

でもマンペルナンバーをマイナーにしたのは素晴らしいと思います。笑
サントラは買ったら楽しめそうな予感。
でもなんか下品なんだよ、、人間に寄せすぎてるんだよ、、
人間に寄せすぎてるわりには見た目がCGで猫っぽすぎるんだよ、、
ちらっと見た「猫が発情してる」みたいなのはあまり感じなかった。
ミスト圧倒的にヴィクトリア好きすぎだろとは思ったけど、、キスシーンもなかったし、、
全身タイツもまあ見慣れてるので、、でも人間の耳がないのと境目が一切ない毛皮は不気味かも。
あそこまでやるならいっそ顔もCGで猫ちゃんにしちゃえば?
曲は良いので四季のキャッツ好きは意外と楽しめる?気がする。
まったくの初見の人には勧めないかも、、かなり意味不明なので、、
以下本当の雑記。

マンペル三毛猫かわいい(2回目)
ヴィクトリア役の人、美人
ミストもっと自信持ってほしい大人しくて小さな黒猫頑張って
タガーもっともっともっとチャラチャラして
マンカストラップもっとリーダー感出して
ディミータいた?
アロンゾいた?もっと存在感出して
ジェリクル舞踏会の前の「ジェリクルキャッツは黒と白…」ってとこもっと華々しくして
ミストの手品ちゃっちい、フェッテ入れて
ゴキブリほんとひどい、もっと人間味だして、タップして
ランパス😞
グロールタイガー雑魚すぎ
グリドルボーン歌詞に出てくるならもう少し出てきて
あの意味不明なマキャの茶番勘弁して
マキャの人間味本当ひどい、勝ちにこだわらないで
ガス自分で自己紹介しないで、ただの老害
シラバブの存在感、無
トータル猫感ない、小さな猫コスプレ人間たち感
よそものだからジェリクルじゃない、とかじゃない
キャッツ初見の人まじしんどいだろうな
歌かダンス、どっちかが圧倒的ならまだ見れたかも
コメディタッチは本当にいらなかった
バストファさんの亜流みたいな猫だれ??
マキャは最後まで謎で崇高な存在でいてほしかった
みんな軽率に泣きすぎ、猫だぞ
曲のアレンジは結構いい、目をつぶって聞けばかなりいける
スキンブルタップもっとジャジーなおしゃれな感じだったら100点

というわけで、思ったより楽しめたけど一刻も早く四季のキャッツを観たくなったなという、
わりとどうしようもない感想で終わりにする。明日仕事なのに3時になってしまった。
おやすみなさい。